サンドイッチの発想と組み立て

ここ最近で感銘を受けた本は『サンドイッチの発想と組み立て』くらいしかないかもしれない。

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料理書に似つかわしくない硬派なタイトルだが、10年前以上前に刊行されて版を重ねている定番書で、『デザートの発想と組み立て』『スパイス&ハーブ料理の発想と組み立て』『ハンバーガーの発想と組み立て』『ホットドッグの発想と組み立て』などシリーズになっている。

「定番サンドイッチの組み合わせの法則」と称した以下の表をもって、サンドイッチの構造と発展系を完全に理解することができた。

たしかに巷のサンドイッチはパンと食材のバランスが「パン>食材」「パン=食材」「パン<食材」になっているものがあり、パンの種類によって形が決まっているような気がする。この意識によってまず適切な作り方を選ぶことができる。

かつ、サンドイッチとは「パン+油脂+メインの食材+ソース+アクセントの食材」が基本構成なのだという。なにかを挟めばサンドイッチにはなるが、多くの定番サンドイッチにはバター(油脂)、味の決め手となるソース、アクセントになる食材が使われていることが多い。この構造のもとに、提供シーンにあわせてパンや具材を置き換えれば、多種多様なサンドイッチを生み出すことができる。

これらは本書のさわりの部分だが、核心でもある。あとはさまざまな発想の助けになる事例が載っている。なんのことはないかもしれないが、これだけ端的に何かを理解させてもらえたことが、近年あっただろうか。上野千鶴子の『情報生産者になる』を読んだときが最後かもしれない。こうして以下のようなサンドを作成している。

ベーコンマッシュルームメルトサンド

マスカルポーネとコルビージャックのサンド/生ハムとマスタードマヨネーズのサンド

細長いバゲットで生ハム

ホットドッグ

ランチョンミートサンド

ホットサンドメイカーも手に入れて、ツナキャベツホットサンドも作った。

今回は以上です。

最近の仕事

・11月刊『やさしい日本語ってなんだろう
在住外国人の増加や多国籍化が進む社会を背景に注目を集める「やさしい日本語」から、コミュニケーションのありかたを考える一冊です。

・12月刊『イーサリアム創世記
ビットコインに次ぐ時価総額をもつ暗号資産プラットフォームである「イーサリアム」の誕生から発展までを描き出した翻訳ノンフィクション。

・1月刊『「嘘をつく」とはどういうことか――哲学から考える
悪いとわかっているのになぜ嘘をついてしまうのだろうか。素朴な問いから人間の複雑さが見えてくる哲学書です。


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子どもが生まれた

子どもが生まれた。無政府主義者のプルードンと町田康と同じ誕生日だ。今日でちょうど一ヶ月になる。名前は矛生(むお)さんといい、矛盾を生きると書きます。ムオはハングル語で「何」を意味する疑問詞。若い頃に読んだ茨木のり子のエッセイ『ハングルへの旅』に、生まれてきた男の子に「矛生」と名付けた知人の話が出てくる。The Who や Why? など、疑問詞をその名に冠したバンドは総じて優れていると私はかねがね思っていたから、名前の候補として10年近く前からアイデアだけあったのだけれど、まさか本当に採用されるとは思わなかった。というか自分が子を儲けることになるとは思っていなかった。 もともとの予定より一ヶ月も早く生まれてきたこの人は低出生体重児で、とはいえ大きな問題があるわけではなかったのだけれど、生まれてしばらくはNICU(新生児集中治療室)で過ごした。病院では何枚も何枚も書類を記入した。大病院のあちこちにある窓口を行ったり来たりすることが父としての最初の仕事だった。自然の存在としてやってきた子どもをわれわれが生きる官僚制的システムに組み込むための事務作業を進める役割ということだ。家に戻れば出生

時代に向かない聡明な少年たちのために

前回からまる一年が空いてしまった。そのあいだもニュースレターの使用料月9ドルが何事もなかったかのように、というか何事もなかったからこそ、引き落とされ続けている。何を思ってこのプラットフォームが「Ghost」を標榜しているのか知らないけれど、幽霊会員としてそれなりの額を巻き上げられている者としてはうらめしい。書こうと思っていたこともそれなりにメモしてはいたのだけれどただ億劫で書きませんでした。ふだん私は編集者として原稿を取り立てていますが、生活や仕事のかたわらで形にしている書き手のみなさんはえらいと思います。 この前、若いクリエイターと話していたら「みんな30過ぎると生活が面白くなっちゃうんですよね。猫飼うとか彼女と住むとか。それで作らなくなっちゃうんです」と言っていたんだが、その程度のこと両立できない人は向いてないから、さっさと足洗ったほうがいい😀 — 渋谷慶一郎 / Keiichiro Shibuya (@keiichiroshibuy) October 31, 2025 生活が面白くなっちゃってる。それはある。生活が面白いと、言葉は後回しになる。読んだり書いたりするべき時

意味のある舞い

2024年はお正月に北野武『首』を観て、荒川良々演じる清水宗治の、舞を踊って辞世の句を詠んで、「早く切腹しろよ」と呆れられながら死んでいく感じが印象に残りました。大きく分ければ、死を前にして、人生を意味づける舞を踊り句を詠みたい側に私たち文化系は属していると言えるでしょう。それを滑稽と切り捨てられるのが面白おかしく、また残酷なところであります。同じ頃、『葬送のフリーレン』を読み、坂本龍一の誕生日に上映された『async』の制作ドキュメンタリーとライブパフォーマンスを観ました。東日本大地震の慰安で避難所の体育館を訪れた坂本が「お寒いでしょう。走り回ったりでもしながら、気楽に聴いてください」と語りかけ、「戦場のメリークリスマス」を弾き始めるシーンは、一時代を画期した作品の力というものを感じるところでもありました。会場である歌舞伎町の109シネマズは坂本が音響監修をしており、上映前にはメッセージが流れ、生前最期の仕事のひとつになっています。若い頃はこういった物事の意義がいまいち掴めずにいたのですが、大きな仕事を成し遂げた先にはモニュメントを建てるといったフェイズがあることに気づくようになりま